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自由
今年も空梅雨、連日スッキリ晴れ渡る久米島です。

ダイビングとモズク収穫の合間を縫って、今まで郵便局に擬態してきた(?)赤の軽バスのほうをオレンジに塗り替えました。スカイブルーの2号車と並べると、LEGOみたい。ビタミンカラーは沖縄の青い空とキビ畑に映えるな~♪

この塗装、実はホームセンターに売ってる普通のペンキを、自分で刷毛塗りしています。液ダレするし、ムラになって木目調みたいになりますが、ムラがあったほうが手触りがなんか木の触感でいい感じなので僕はずっと手塗り派です。値段も1台4000円いかないし、これでも数年錆びません。全塗装依頼したら10万弱かかるのと、ウエットスーツのまま乗車する事が通常の久米島のダイビングスタイルからすると、通常のダイビング車の寿命は早くて2年、もって3年ですから、数千円のコストで5年経った今も、ほとんど錆びずに元気に走っているこいつはとってもエラいのです。

ハイエースが普通のダイビング業界で、赤い軽バスでサービスを始めたときは、それはもう不思議な顔をされたし、今でもよくからかわれるけれど、だって定員3人だもの、充分です。なにより自分の車を、失敗なんか気にせず、気分で自由に塗り絵みたいに変えられるなんて、もうすっごく楽しくて! みんなもやればいいのに。ってずっと数年言っていたら、この頃久米島で増えてきた。3色塗り分けてのコーディネイトはあと少しだけ先にとっておこうかな。

朝食の時間を仕事にあわせて決めたり、車を好きな色に塗ったりできること。ちっぽけな、僕が手に入れたささやかな今。ペンキにまみれ、塗り終わったオレンジとブルーの車を眺めながら思う。この為だったら多少の不都合や貧乏、カッコ悪さ、そんなの全部まとめて引き受けてもいい。

これは最上の自由だ。

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# by color-code | 2012-05-25 18:46 | うみのいろはそらのいろ | Comments(4)
沖縄の金環日食
沖縄の金環日食は、こんな感じです。

真ん丸リングを見た大勢の皆様、おめでとうございます。

さぁ、海だ!
# by color-code | 2012-05-21 08:08 | うみのいろはそらのいろ | Comments(3)
コンプレックス -失って得たもの-
サービスを始めて間もない今から5年前、僕は突然嗅覚を失った。原因は不明だ。いろんな事を考えたりやることに大わらわで、それに気がついたのが秋にもなったという頃、事態をしっかり把握した時には、もう僕のまわりからすべての匂いが消えていた。

よく風邪をひいたときに、匂いが解らないので食事がとっても味気ない、という。その時の僕は、自分が異臭を放っているかどうかが理解できず(実は老人になってからまわりが困るだろとちょっと考えた。)食事の味よりこちらの方がはるかに恐ろしかった。それに例えばガス漏れしていてもわからなかったのだし。

いよいよ思い立って、冬の初めに沖縄本島の耳鼻科を受診した。様々な検査をしたけれど、僕の鼻はもう、単に鼻水が出る、空気の通る穴になっていた。先生がおっしゃるには、匂いを感じるセンサーのようなものや、毛細血管など、そういうのは日頃から感じていないと脳が不要だと判断し、特に血管などはなくなっていってしまうらしい。そして、今はその感覚がなくなるギリギリのあたりだろうということだった。若干ハードな現実にちょっと面食らったけれど、やることをするしかない、朝晩、薬を地道に続けた。嗅覚は戻らなかった。

でも面白かったことがある。僕は嗅覚を失っていたのに、タバコを吸う人が近くにいるとすぐに解ったのだ。感じたのは匂いではなく、もっと粒子が荒い、眼には見えないけれどざらついた感じのするものが空気中から押し寄せてくる感じ。このせいもあって、加齢臭は肺にクラっとくる、ゆえに臭いではない。という都市伝説的主張に結構信憑性を感じているくらいだ。僕は嫌煙家ではなく、むしろ綺麗にタバコを楽しむ愛煙家に好感をもっているけれど、それとはまた別の問題でタバコは間違いなく匂いだけではない、そのカテゴリーに収まりきらない物質をかなり広範囲に放出しているらしい。この経験のおかげか、今では僕はタバコに関して犬のように鼻が利くようになってしまい、遠く洋上の沖合にいても、遥か向こうに霞む陸の風上から流れてくるなにかしらを感じ取ってしまうようになった。僕なりに匂いに変換するならその粒子はやや焦げ臭く、わずかに甘みを含んでおり、でも飲食にはまったく向かない。

さて、耳鼻科に通って数か月が過ぎ、フィリピンに長期ステイしていたときのこと… 突然! 自分の鼻が何かをとらえた。それは微かなものだっかけれど、その時の僕の頭にはガツンと響きました。それは匂いというものでした。土と、人と獣と、サンミゲールビールと、マンゴーを発酵させて作る自家用酒、トゥバの甘い香が混じり合い、漂う、生ぬるい、フィリピンの水の香でした。

その匂いをとても愛おしくゆっくり味わい、ローカルスタッフが使う台所のバックヤードの裏のジメジメした暗がりで、小1時間くらい以上も座り込み、ブツブツ言いながら、それに浸っていた事を今も思い出します。

少しづつ匂いを思い出す日々が続いた。バジルの匂い、石鹸、ウエットスーツ、ガソリン…。以前とはとらえ方が変わってしまっている匂いもあったけれど、現在、ほぼすべてを取り戻した。僕はフィリピンの地を踏むたび、いつもフィリピンの水の匂いを感じる。それは同時にビールの匂いであり、土地、そして人々の、生活の匂い。それが嬉しい。

この国にも匂いがある。沖縄にも、久米島にも、そして僕にも。それが心地よいか、は人それぞれで、変な匂いでも、おかしな匂いでも、でも国中がダウニーくさいより、ましてや無臭だったりするよりはよっぽどかいいと思う。どんな匂いでも構わない、きちんと自分の匂いのする人がいい。

匂いつながりで話すと失って改めて感じたこと、人が強く反応するものは、記憶に残るものは、当たり前だけど光景、匂い、音、明暗、手触り、等々、大抵複数の感覚とのセットで結びついている。
ダイビング中でいうなら不快な煙や臭いが自分の方に流れてくる、あるいはそのあたりの配慮のない船や港があったとするなら、潮の香りも聞けず、どれほど海や空のの青が美しくても感動はずいぶんと減るだろう。
同様に朝のビーチで波音を聞きながら、おだやかに本を読んでいるところに近くでアイドルソングがヘビロテされていたら、そしてその音が自分にとって少しばかり障るものだったとしたらどうだろうか。どんな美しいビーチでも良い記憶には残らないし、その本の醍醐味も失われてゆく。

皆、こんな経験はできることなら避けたい、むしろその逆の経験をしたくて旅、という非日常の世界に入る。であればより一層、周りの光景、音、匂い、手触り…すべての感覚は人それぞれ、あらゆる方向に開かれ、ポジティブで、バリエーションがあったほうが楽しい。勿論万人にとって常に心地よいものなどそうはないわけで、だからこそ自分だけが心が震えるものに、時に出会う。それが自然だ。見て、聞いて、嗅いで、触れる。こういったことを皆で気にしながら、移動し、運動させ、護るというのが良いマナーであり、同時に個人の自由というものだと気がついたのは、一時とはいえ嗅覚を失ったおかげだと思う。大切なことを知ることができた、価値ある経験でした。

明日はモズクの収穫、あるかな?
あ、カラーコード、今まで通り、先々までガイド予約カラッカラです、みなさま、どうぞご安心してお問い合わせくださいませ。次回UPはダイビング中の画像を目指します。目標低いな~。



-追記-
最近、WEBで眼にマイクロチップを埋め込み機械化することで、失明を治療することに成功したニュースを見ました。20年前にこれを描いてる士郎正宗はやっぱりすごい。やるな、バトー。
新たな視覚を得た男性は、長年使用していなかった脳の視覚に関係する部分の再活動により、25年ぶりにカラーの夢をみたという話が印象的です。嗅覚を一度なくしたことで体の機能の奥深さを知り、深くうなずくところがあります。


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# by color-code | 2012-05-14 18:09 | ねじれ頭がぷかぷかぶーん | Comments(3)
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