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GoProHERO3+は水中動画キャプチャー機として使えるのか? -その3-

人それぞれ、これ、いいね! と思った画像がいい画質だと思いますし、粗さもノイズもピンボケもブレも、写真の良さの一部だと思います。レビューは参考になりますがそれは楽しみのほんの僅かの部分、しかし愛機を良く知るのもまた大事なこと。そんな矛盾の中で書いていますのでたくさんの思い違いがあると思います。どうか話3割くらいで読んでいただければと思います。大風呂敷広げてからいうのもなんですが、この他にGoProのフォトモードでは、バーストモードという秒間30コマ切るモードがあります。スナップなら3秒で30枚切る、それ反則みたいなモードもあります。大体において今メインのコンデジが秒間10コマ以上切っちゃったりするんですが、それでは映らない何かが映るだろうというものも少しばかりありますので、もう少しお付き合いください。

さぁ、話を戻してキャプチャー時の解像感、階調、ノイズ、そしてシャッタースピードに起因するブレ感、を見ていきます。早速1000万画素の最新コンデジと比べてみましょう。今回、対戦するのは自分も現在メイン機材として使っている最新の画像処理エンジンを積んだCANON PowerShot SX280HSに、光学性能では定評のあるINON社のフィッシュアイポート装着仕様、強敵です。

GoProは殆どがAUTOなのでシャッターや絞り、感度等の露出条件は揃えられませんが、画角はほぼ同等です。歪みについてはレンズの特性上差がありますが、気になるのなら後ほどソフト上でどちらも修正可能。なにより同地点、同時間からの撮影なので、GoProの実力はある程度検証可能と思われます。

【条件】
CANON PowerShot SX280HS+INON製ワイコン(ISO4上限400 f6.3 絞り優先オート)で縦横比率をHERO3+と同じ16:9で撮影。オリジナルサイズ4000x2248pix
GoProHERO3+ 4k(PROTUNE+CAMERA RAWモード)を純正ソフトGoPro Studioで静止画キャプチャー *シャープネスはLOWで設定。オリジナルサイズ3840x2160pix

逆光/水深8m
GoPro HERO3+
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CANON SX280HS(ISO200 1/320)
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こういった光景ではAFは滅法弱く、本当であれば一度他の岩などに構図をずらしてフォーカスを合わせないといけません、ここではあえてSX280HSは中心に置いたままシャッターを切りました(置きピン撮影はこの場合フェアではないと思うので)。ちなみに中央に主要な被写体がないので一眼デジでもAFを使っていたらかなり迷うシーンです。仮にこの構図内にものすごいトピックスがあるシーンであったら、と考えた時にこの差は大きいですね。GoProのパンフォーカスの強みが出ています。

俯瞰/水深10m
GoPro HERO3+
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CANON SX280HS(ISO400 1/160)
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全体的には両者互角といったところ。オレンジフィルターの影響もあり、色味がGoProの方が鮮やかに出ています。
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GoPro HERO3+
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CANON SX280HS(ISO400 1/160)
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実はこの拡大はSX280HSに有利であろうと思っていた中心からわずかに外れた場所です。GoProの方がわずかに解像が高いように見えます、横周辺ではこの差はもう少し広がります。

水平/水深17m
GoPro HERO3+
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CANON SX280HS(ISO400 1/100)
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拡大イメージ
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GoPro HERO3+
GoProHERO3+は水中動画キャプチャー機として使えるのか? -その3-_a0060407_1945839.jpg

CANON SX280HS(ISO400 1/100)
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実際この日は青の濃い海で、とりたてGoProの海の色が無理やり作っているわけではなく、むしろ本来の色です。しかしノイズなどの処理はさすがにCANONの方が一枚、いや二枚、上手。控えめな彩度も後処理を考えるとやりやすいかもしれません。

皆さんはどう思いますか? 拡大するとGoProキャプチャー画像の偽色が多いのは否めません。これはフォトモードで撮ると一気に改善されますが、同時にノッペリ感も倍増します。あとはオレンジフィルターの影響。外すと偽色はそこそこ落とせますので、補正フィルターはシーンに応じて使い分ける必要があります。しかし実際等倍付近まで拡大しないと見えてこない程度なので通常気にする必要はないでしょう、画面全体で言えば通常のダイビング水深では発色の面で有効、海の青や人間の肌色も出してくれますので撮って出し、には便利なフィルターです。

注目してほしい点としては、周辺部の解像感ではなんとGoProが勝利、これは驚きました。コンデジのワイコンは絞ったほうが解像が上がるのでもっと絞って、という手もありますが、更にひと絞り絞って撮影しても結果は同じ、GoProのパンフォーカス、恐るべしです。SX280HSのデータを見る限り、結構シャタースピード速いですね、17mでも1/100出ています。対してGoProの同水深のハナゴイのフォルムもそれほどブレブレってわけでもないので、思ったより早いシャッタースピードで動画を構成しているようです。これは僕にとってはありがたいですね。しかし画面の多くを割いてかつ動く群れモノなどはギャンブル、動画としての使い道を考えたら1080pか720pが面白いですし、キャプチャーしてもWEBやはがきサイズなら対応できますからここは臨機応変で。

SX280HSが勝る点はシャッタースピードをコントロールできるので、動体を自分の意思で止めることができる事、あとは細かい部分ですが階調表現、と偽色の無さ。特に海の青の階調ではかなり勝っています。まぁここでCANONが誇るDIGICが負けては困るので、これメインで使ってる僕としてはちょっとホッとしました。しかし結構追い上げられててびっくりです。

勝敗は露出の自由度と階調表現ではCANON SX280HS、周辺部までの解像感・歪みではGoPro HERO3+と言えそうです。総合点で言えばCANON SX280HSの勝ち。ただ他機種ではどうかというと、GoProに余裕負けする機種も少なくないように思います。正直ここまで拮抗するとは思いませんでした。シーンを選べば今回以上の結果を出すことも充分可能です。

実は今回対抗で使用したCANON SX280HS、多くの名機を出したFUJIのFシリーズと同様、水中使用においてワイド/マクロ双方で非常に使えるコンデジですが、今春発売した後継機は純正の防水プロテクターの発売を見送りました。処理エンジンも同じ、マイナーチェンジに近い新型なので今回はいいとして、次回はまた是非復活してほしいシリーズです。この点、GoProは世界中のあらゆる場所で利用されている機材ゆえ、ハウジングを含め、多くのオプション製品に互換性を持たせてあり、かつ相対的に安いのが強みです。画質もソフト上でより向上させることが可能になるでしょう、GoProは水中撮影において今後コンデジと拮抗してゆく可能性があります。

このような動きとヒット商品は、ダイビング業界にとっては水中撮影器材の小型化、低価格化に貢献するでしょう。たとえば少し遅れてウェアラブルカメラに参入したSONYですが、GoProに入っている画像素子はSONY製ですし、つまりSONYはマウント規格をGoProに倣うなど、セッティングとマーケティング次第では下剋上を起こせる可能性もあるわけで、そうした競争は今後の携帯端末との統合を加速するかもしれません。更にこれから数年先、iPhoneⅩくらい、あるいはその座を取って替わった端末には、現行GoPro以上の性能を持ったカメラを搭載している可能性が大いにあります(スマートフォンの形状かはわかりませんが)。今現在でも端末内アプリでダイブコンピューターとダイブログは実用化されているので、数年後には2万円台程度の防水ケースに普段使用している端末を入れるだけで、GoPro並のカメラと自分に合わせてカスタマイズ可能なダイブコンピュータとログブック、緊急時の関係者、機関への通報、GPS発信、夜間用フラッシュ、コンパス。この全てがオールインワンという理想的ダイビングギアが出来上がるかもしれないのです。水中でこのような重要な機能を一つに集約するリスクの話はひとまず置いても、僕はこの可能性はかなり高いと踏んでいます。実現すれば財布に優しいだけでなく、多くのダイバーが同じ機材という土俵で撮影をすることで、撮影に新たな発想が次々生まれるでしょうし、なにより重大なダイビング事故を軽減することにも大きく寄与します、僕もそれを望んでいます。

「目の前の動体もキャプチャー可能、ブレをクリア出来れば4Kも切り出せるクオリティ。」間違いなくGoProは凄い。基本高いfpsのモードを使いつつ、困った時の4kキャプチャー、ここぞの時にバースト。様々な撮影スタイルが水中で楽しめます。

最後の最後にサポートと開発の方へ。出来ればシャッター下限を次回UPDATEでつけて下さいm(__)m

次回はデータ用画像を離れ、このGoProのキャプチャー性能で、実際どう使う? についてやってみようかなと思います。

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by color-code | 2014-04-05 20:04 | 道具 | Comments(0)

沖縄は久米島にある小さなダイビングサービスです。


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