超ピンスポットLEDライト INON LF800-N レビュー
INON LF800-N ようやく指し棒/ダイビングベルの替わりとなるライトが登場した。パンキッシュな印象さえ持つ設計思想ながら、違いのわかるダイバーをうならせるライトだ。ガイドとして2か月使い倒してみての使用感を書いてみました。
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手のひらサイズで照射角度はなんと5℃!(一般的にスポット照射と言われるライトでも30℃)という超ピンスポット、実際水中で照らすと直径7センチの円形状の光が数メートル先でもほぼ変わらない大きさのまま光が伸びる。ナイトダイビングや暗い場所では、まるでライトセイバーかビームサーベルを振り回しているような気分になる。緊急時/連絡時でも極めて遠くまで強力な光が届くので、仲間に注意喚起をしやすい。電池保ちもFULLで85分、LOWなら4時間25分と充分だ。今挙げたこのライトのメリットはそのまま「ガイドやリーダーに必要な機能を備えたLEDライト」ということでもある。実際、これをガイドで使用しだしてからダイビングベルやタンクを鳴らす、という方法の仲間への注意喚起はほぼ必要なくなった。

ダイビングライトの性能はこの15年で飛躍的に伸び、光束値の伸びでいうと10~15倍以上になっている。20年前に定番中の定番だったキセノン球、ハロゲン球ライトは最上位機種でもせいぜい150ルーメン、現在ではポケットライトでも1000ルーメンはざら、撮影用、ガイド用ともなると2500ルーメンも珍しくはないというLEDダイビングライト光量至上主義の状態になっている。確かにこれで水中はとても明るくなった、のはいいのだけれど、皆がもつライトが明るすぎてナイトダイビングがナイトじゃなくなったりする事態も起こっている。かなり多くの人が実感していると思うのだけれど、ライトの光量に満足は無く、底なしなのだ。LF800-Nはこの点、コンセプトが明確で気持ちが良い。まず800ルーメンという、最近としては控えめな光束値。これがコンパクトさと(単三3本)電池保ちに大きく影響している。そしてここからが最大の特徴。まず一般的な高性能ライト、フィッシュアイのFIX1500を30センチ先の白板に照射してみたのがこの画像。横幅80センチの板のほぼ全面に光が回っている。
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1500ルーメン 照射角85℃ 色温度8500-9000k

次にLF800-Nを同距離で同じ露出で撮影してみた。FIX1500とは明らかに異なる、超強力なピンスポット光。色温度の違いも明瞭ながら、光束は1500ルーメンに比べて約半分にも関わらず、中心付近の明るさは桁違いなのがお分かりになると思う。
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800ルーメン 照射角5℃ 色温度5000k

マクロ撮影に関していうなら、いままでターゲットライト、補助光として使用してきたライトの照射角は実は無用に広すぎる。7センチ程度、場合によっては5ミリの小さな生物を撮影するのに、果たして直径1mの円形の光が必要だろうか、もちろん必要ない。その大光量の90%以上は無駄な、捨て光なのだ。いかに2000-3000ルーメンの大光量ライトでも、それが1平方m、あるいは数平方mに拡散してしまえば当然弱まるので、ターゲットライト以上、ストロボ未満の地位から出ることは今までなかった。更に光の中心を撮影距離に合わせてしっかり被写体に当てることのできるフォト派ダイバーは、これが基本的な技術であるにも関わらず多くはない。
逆にいうと、撮影距離に合わせてしっかり被写体に光を当てることのできるフォト派ダイバーにとって、このLF800-Nは実に強力な道具になる。なにしろ超ピンスポットで800ルーメンの光束を直径約7センチの小さな面積に注ぎ込むので、2500ルーメンの照射角80-100℃の強力で高価なライトより、中心付近の光は遥かに強いのだ。更に集光レンズをはめる事によって、この強い円形の光を直径4㎝~2.5㎝まで集光できる。直径4㎝といえば、35mmフィルムの等倍面積とほぼ等しく、その光束の凄さたるやストロボが完全に不要になる。基本がきちんと出来ているフォト派ダイバーにとっては撮影の幅が大きく広がるに違いない。

下の画像はCANONのコンデジの15-20倍ズームをかけ、クローズアップレンズUCL-165M67を2枚重ねしてノーストロボ、LF800-Nのライト光1灯で撮影した。データは共に 1/640 f7.1 ISO100
このデータで「え?!」となった方は買いかもしれない。ライト1本でこのデータで撮れるのは凄い事だ。ガイドナンバー20以上のストロボでも撮れるかどうか。勿論素子の大きなデジイチならもっと絞れるし、更に速いシャッターが使えると思う。
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ストロボのチャージ時間が必要ないので遠慮なくこのコンデジの連射速度最大の11枚/秒を使用して撮った(最近のコンデジの性能は凄い)。もはや僕ではなく、ライトとカメラが撮影しているようなものである。しかしおかげで首を振り回す難敵のピグミーシーホースも難なく撮れる。デジイチならマクロレンズでf16程度まで絞れそうなので動画でおさえて切り出す手も充分にありだ。
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うねりに翻弄され、液晶からあっという間に消え去る5mm程度の極小シムランスを高速シャッターで切り撮る。
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ストロボ光の反射で被写体が白飛びしやすく、コントロールが難しい浮遊物系の撮影においてはライト光だけのノーストロボ撮影が最も有効だと思う。*この画像だけはもう1本、横からLE700-Sを当ててクローズアップレンズ1枚で撮影。

INON LF800-Nは指し棒、緊急時だけでなく、撮影用ライトとしても大光量ストロボを凌ぐ光を集光させることが出来るのでノーストロボ撮影がコンパクトな状態で出来るうえ、今回紹介したのはほんの一部、本当に様々な撮影手法に使える。光を必要なところに自分が必要とする量だけ当てる、という撮影の基本に立ち返ることもできるから、ライト沼から抜け出せる1歩となるし、特にマクロ撮影が好きなダイバーには購入検討する価値は大いにあると思う。興味のある方はショップで是非手に取ってみていただきたい。


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by color-code | 2015-02-25 15:21 | 道具 | Comments(0)
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