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オタマボヤ

浮遊物系のシーズンです。クチビルぅぅ~の脊索動物サルパが大好きな僕としては、この時期の少し荒れたあとの濁って浮遊物たくさんの時の海がもう楽しくて仕方がない。
タルマワシとかヒカリボヤに乗って旅するエビカニ達や宇宙船のようなカメガイ...もう中層しか眼に入らない。ちゃんとガイドしろや! と怒鳴られても仕方ないではありますが、中層ばっかり見てるってことは、春先になってバラけてくるハンマーや活発になるメジロザメ、これからシーズンインする鰆やまたまたカジキ、の発見率がぐーんとUPするわけです、なにとぞお許しを。ウミウシの量が最も増える時期でもあり、悩ましいではありますが僕は視線は水平が好きです。
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その浮遊系の中で今回はオタマボヤを紹介。1㎝弱の黄色い個体が多く、春~初夏によく見かけます。とっても小さいですが安全停止中なら多くの人が眼に入るはず。クネクネして泳ぐ姿が結構かわいいです。黄色の本体のまわりがすこしゴミみたいの付いてますよね(ブダイの寝床の抜け殻のような質感です)。これをモノクロにしてわかりやすくしたのが下記画像です。
オタマボヤ_a0060407_17492818.jpg

実はこれはゴミではなくてハウスといわれる食糧採集装置で、クネクネと動く事で水流を作り出してプランクトンを摂取しているんだそうです。取水、排水、ろ過装置なども装備されたこの上等なハウス、わずか数分で作り上げるそうです、恐るべし脊索動物。
更に役割を終えて廃棄されたハウスはなんと、あの超希少なニホンウナギの稚魚の重要な食糧源になっているらしいことが最近確認されています。自分たちが潜っているときにあの美味しいニホンウナギの生命線が見られるなんて。というか突き止める日本の研究者の方々、すごいっす。というわけで人間のひとりよがりな考えでそのつながりをショートカットさせたり、断絶させると結局自分に返ってくる。生命のつながりというのは循環し、すべてが必要とされている、という当たり前の事をしみじみ感じる話でした。はぁ~、日本産のうな重が2000円で食べられた時代が懐かしいですね。自分の職に照らし合わせて考えてみれば、沖縄のダイビングスポット全域からオニヒトデが居なくなった日、僕たちダイビング業者はそれを手放しで喜べるのだろうかとも、ついつい考えてしまいまったのでした。

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by color-code | 2016-03-23 17:51 | うみのいろはそらのいろ | Comments(0)

沖縄は久米島にある小さなダイビングサービスです。


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