宴
2004年 11月 01日
記憶は決まって 赤で染まっている これからもきっとそうだ
限られたその日だけの永遠 太鼓の音は絶やされることが無い
彼らは 何かの拍子に 広場の端からいつもふいに現れる
そして音色だけを残して闇へと消えてゆく精霊の集団
燃える腕はしなやかに夜空へとしなりながら伸びあがり 飛ぶ
地鳴りの音とともに 赤い地に両足が突き刺さり 跳ねる
重力を 月の光を 自在に動かす者たち
粘液質な夜の花の香り 心臓の脈動で島が揺れだす
鼓動はあまねくひろがり 地も脈打ちだすころ
伸び上がる腕とうねる足は果てなく続き
褐色の渦となって 南の海を越えよ
地と空に溶け エイサーを舞い 刻から放たれる者 来たれ