何故、私達はロクハンカブリを着るのか?
私達は、おそらく年間600~800本のダイビングをしている。恥ずかしながら、数えていないので、随分とアバウトな数字になるのだが、おそらく間違いない。そのうちの500本以上、いや、600本以上、つまり、一年の大半を、ロクハンカブリで過ごしている。海の中だけではない。日中は、基本的に朝から夕方までずっと着たままだ。何をするにもこれを着る。着ていないのは打ち上げの時くらいだ。これだけの時間、着つづけて、皮膚がかぶれもせず、水温20度以下~30度まで、どの水温にも対応出来、なお使用できる他のウェットスーツを僕は知らない。あれば是非教えて欲しいのだけれど、今のところ、無いのではないかと思っている。つまり、選択肢がこれしかないのだ。敢えて一つ挙げるとするなら、とあるメーカーの、裏地に凄い技術が詰まった表スキンのセミドライ、ツーピースフード付き、という商品なのだけれど、今のウエットを3着買ってもお釣りが来る値段なので、はなから選択肢には入らない。

ロクハンのデメリットは数限りなくある。まず真っ黒なため、誰が誰だか解らない、これは視認性を考えると非常にまずい。ゲストにいつも申し訳なく思うのは、このガイドが誰が誰だか解らなくなる、この事です。そして着ずらい、すぐ裂ける、分厚く、ウェイトは重くなる。年末になると毎年、来年の厳しい寒さを乗り越えるため、新たに新調するのだけれど、自分達が着ているロクハンは、新品が来て見るとわかるのだけれど、どう見ても6.5mmではない。8mmはある。つまり、2重になる胸~お尻の部分にかけては1.6cm、3mmのフードベストを着たら、新品状態なら2cm近い厚さになる。その上、1年間着つづける事を考え採寸するので、肩幅は5cm、すねなどは8cm程度長めに作ったりするので、最初はブカブカだ。トンバラで潮見をする時など、10キロ近くウェイトを着けないと、まず沈めない。

ところでメリットも数限りない。まず安い。仕事で使うものは、まず安くて耐久性があって、補修が簡単でないといけない。その点、こいつは全てを兼ね備えている。すぐ裂ける、という話しは良く聞くのだけれど、裂けてもすぐ直るのがこいつのいい所、ボンドであっという間だ。極論すると、ガムテープで留めるだけでも何とかなる。これならどんな不器用な人でも出来るし、実際僕は、裂けた肩をボンドで直すのすら面倒なので、ひたすらガムテで留めるだけ、しかしそれはなんと、かれこれ3ヶ月以上持ちこたえている。これが裏地がハイテク素材でジャージ使いのウェットなら、ボンドで留め、夜なべして縫わなければならない。そんな暇は、多分、無い。

一つだけ、重要な点がある。仕立てだ。ジャージを使って縫わない分、作り手の裁断と接合技術で耐久性は全く違う。それを考え、本当に1年間、数百本着つづけていられるロクハンを売るお店というのは、実はそんなに無いのではないかと思っている。僕は、とある量販店で、ロクハンのワンピースをフルオーダーで2万弱で買い、50本で接合面が軒並み剥がれ、両腕が肩からスッポリ抜け、数日後、お尻はカッターで切ったように綺麗に接合面から割れ、1ヶ月で他のウェットの修理用生地と化したという、腹立たしい経験をした事があります。カメラのハウジングやタンク等、水の浸入を防ぐ手立てが、未だゴムの〇リングのままのように、ロクハンカブリも、これから先、どのようなウェットが出てきても、ずっと着つづけていかれるのでしょうね。

次回は仕立てについて、もっと詳しく書こうと思います。
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by color-code | 2002-10-20 20:52 | うみのいろはそらのいろ | Comments(0)
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