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クジラにとり憑かれて⑦ - 懸案発生 -

ようやく正月の混雑も収まり、いよいよ英気を養って一般WW船2年目を迎ようとした直前の2005年の一月、ある重大な問題がいよいよ持ち上がった。町で、ホエールウォッチングに対する自主ルールを制定しようという動きが出たのだ。実は予想通りだったので、あまり驚きはしなかった。昨年から、主にリゾートホテルサイドからなのだが、2時間半程度で約5000円ほどの参加料金、ケラマの業態とほぼ同様のWW船が、月に数回、就航していたからだ。月に数回、というところが、久米島のWWでの商業化の困難さを身をもって証明していると思うのだが、追随しようと大々的にホエールウォッチング参加者を募集するダイビングショップも出始めた。昨年まで、クジラをこれから見に行くと告げれば、失笑された上に、クジラ肉食べたいからオマエ、釣って持ち帰って来い! などと思いっきり言われ、からかわれていたこの島だ、聞けばなんと! 当のその本人が保護を、そしてケラマと全く同じ内容でのルール制定に大賛成しているというではないか・・・・何故だ、とは言わない。そもそも決まりというのは、利害が絡む場所にこそ真っ先に出来るものだし、この状況を考えれば無理もないのでこれについて憤るのも大人気ないし、大体あまり意味が無い。島の南側の高台の景勝地には、リゾートホテルのスタッフがしばしばウォッチャーとして立つようになった。この場所は写真でもわかるとおり、島の南側数キロを一望できる、非常に見晴らしの良い場所にあり、自分もたまに休日に出向いてクジラを眺めたりするが、観察可能なエリアは限られていて、二時間、三時間と、時間制限がある近場のみを主体とするWW船を想定する以外では、それほど実戦向きではない。こうは言っても僕、実はこの場所、大好きである。お気に入りのお酒と少しばかりの肴、そして一冊の本、これさえあれば極上の休日を約束してくれる。これがよく晴れた暖かい小春日和であったら、そしてすぐ眼下に彼らがゆったりと泳いでいたら・・・そんな夢のような休日、実は二回程堪能させてもらったのだ。しかしあくまでそのようなゆったりとした気分でこそ楽しめる場所であるような気もするので、本音を言えば自分はそのウォッチャーのお役目は、謹んで辞退申し上げたい。話がそれたから戻そう、今日は割と込み入ったな話のはずであった。ここで逸れると自分ですら訳がわからなくなる。


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そのルールの問題と平行して、町の役場には冬に入ってから、何件かケラマのとある島の誰か(これもまた謎だが)から、お前達の島でホエールウォッチングをしておきながら、規定が無いのはおかしい、行政はどうなってるんだ・・・などの問い合わせが何件か来ているとの情報もあった。実はこれも想定内だった。これはこの島の行政へのささやかなジャブであって、裏を返すとその程度までにはこの島のクジラ、というものが外に知れてきた(知れてしまった)ということだ。怖いのはここから。村意識というのは何処へ行っても変わりは無い、ルールが無い、えっ? 無い?? ちゃんと整備しないと環境が・・・・と、何も解らぬ総務の人が、電話で何回も他島、紛れも無く日本のWWのオピニオンリーダーであるケラマから圧力ととられかねない電話(これは確信犯だ、そしておそらくこの島の業者も関わっている可能性もある)が数回もかかったら、あとは何だかわからないけれども雪崩れ込むように規制制定へと話は進みやすいことは想像に難くない。いいではないか、それが一番クジラにとっても良い、という意見は時代の流れなのかもしれない。こんな時は少数派の辛い立場が身に染みる。

ここからはすこし反証を試みようと思う。今ではケラマに移住しているプロカメラマンの友人が居る。非常に優しさのあふれる絵を撮る、尊敬できる、気さくな人だ。実はこの人に、その友人達が集い、毎年うちのWW船のチャーターを行っていた。そこで起きたクジラとの数々の素晴らしいエピソードは、いずれその参加者が発表するだろうから機会を譲ろうと思う。さて、そこに彼と一緒に乗船するゲストの中には、ケラマ在住の、自分達と同じく海をガイドする事で生計を立てる人も毎年居た。なぜ、遥かに観察しやすい環境の島に住みながら、他島のWW船に乗るのか? 答えはたった一つしかない。そして、それはケラマのガイドの多くが思いながらも口に出せない事柄であることもわかる。それを見た、久米にクジラを撮影しに出かけてゆく彼を見て、その島の人がどう思うだろう? そして、持ち帰った映像が素晴らしかったら・・・快く思う人は多分居ないだろう。とある島のホエールウォッチング協会の重鎮である人は、ウォッチャーが誰も居ない早朝に、一人で海に入ってザトウクジラと逢うと伝え聞いた。その事は、協会員の皆が知りながら、誰も非難は出来ないだろうし、現にしないらしい。なぜなら、本当であれば、本当の事を言えば皆そうしたいからだと思う。僕がその立場であれば、やはり早朝に船を出すだろう。でも出来ないのだ、ルールがある、オピニオンリーダーの誇りがある。今、それを覆すことは、今までの数十年の否定につながりかねない。僕には彼らがこの島の役場に電話をかける心情がなんとなし、わかる気がする。このケラマの在住するカメラマンのWW船のチャーターは、06年度から、お断りした。非常に残念なことでもあるけれど、最大の理由は今書いたとおりだ。そして他島の先達には、ずっと誇りを持ち続けて日本のホエールウォッチングを牽引し続けて欲しい。考え方や決まりの違いはあっても、クジラが好きな気持ちは同じだ。そして、色々と教えを請えれば、とも思う。

しかしだからこそ、やすやすとイエスとは言えないのだ。二番煎じの駆け出しの島が、すぐお隣の老舗に敵うはずがない。しかも商売をする上では一番重要な生息環境で(というより、クジラがいかに港から近いか、という事になる)、最初から大差があるのだ。この状態で同じ土俵に上がって潤うのは、決して島の一般の住人ではない、限られた数箇所の業者だというのが容易に推測できる状況。それはこの島の将来にとってもマイナスだろう。何より、こんな数年先程度の利益の為に、奪われてはならないものがある。将来の子達にもあの光景を見る権利はきっとあると思いたい。そして数日後、FAXが回覧されてきた。案の条、自主ルールとやらが書いてある。何のことはない、ケラマのある島の自主ルールなるものを、島の名前と日付だけ変更したものだ。しかも日付の書体だけが微妙に他と違っていたりする。ちょっと怒りを通り越して笑えてくる代物。議論を尽くしたならまだしも、ちょっとジャブが入っただけで長いものに巻かれろ的に、しかもこんなかなりお粗末なものを、FAXで送りつける行政の担当者の神経をちょっと疑うが、ぐっと堪える。しかしこの担当者に数十年先の未来を決められても後悔で寝れたものではない、幾多の水中、陸上を問わず、彼らザトウクジラの画像とムービー等を手に、その日から下記資料と共に行政関係者に説得を続けた。目的はただ一つ、このままなし崩し的に規制を押し付けられた形での体制の不利を理解してもらう事だ。今は止めねばならない。

下記にその資料のほんの一部を公開する。本来、これは他の多くの画像と会話があってはじめて効果が得られるよう意図的に作成されたので、これだけでは実は不十分だが、こういった綺麗事ではすまない手練手管も、ある場面では行われたことを知って欲しかったのだ。催行の前の陸上で、日毎このような駆け引きがあったのである。もし下を見る時間と広く優しい心が皆さんにあるのなら、裏画面に、小笠原と、座間味のホエールウォッチング自主ルールなるものを開いておくことを強くお勧めしたい。勿論、それを読んでからでないと、話が全くわからない事をお断りしておく。特に小笠原のドルフィンスイムの記述、個人的には絶賛したい。




【別紙1】
小笠原・座間味の自主ルール各項目の比較考察

小笠原、座間味共に、ホエールウォッチングの自主ルールは目的、拘束関係、適用海域、適用鯨種、船舶ルール、特例規定、これらに分かれて記載されています。ここでは、ほぼ同じ内容の2つの自主ルールを比較し、各自治体の諸事情と、規定の理由についてそれぞれ順番に考察、推測します。

目   的
*この項目は、各島ともに、鯨類が大切な自然資源であるということを明記し、そのために、鯨類の行動を妨げないと共に、ザトウクジラの生息環境を保護すること、この2点を挙げ、目的としています。

ルール適用鯨類
*各島とも、ヒゲクジラ亜目、およびマッコウクジラを挙げています。つまり、ザトウクジラとマッコウクジラに種を限定しているということです。東京都の三宅島、御蔵島や小笠原諸島は、ドルフィンウォッチング・スイムで有名ですが、その対象であるハクジラ亜目まで入れてしまうと、貴重な収入源が失われてしまいかねません、そこでハクジラ亜目の中でもマッコウクジラのみを抜粋して指定しています。このように、おそらく各島の諸事情によってルール内で保護する種を限定しています。

ルール適用海域
このルールは座間味村各島沿岸10マイル以内の海域において適用する。
このルールは小笠原諸島沿岸20マイル以内の海域において適用する。

この適用海域は、地域の他地域への距離が大きく左右しており、必ずしも小笠原より座間味のルールの方が厳しい、とはいえないと考えられます。その理由としては、10マイル=16キロ 20マイル=32キロ 座間味から渡名喜島までは、18キロ程度と考えると、座間味の協会が20マイルに距離を指定すると、渡名喜島の船舶にも、自主ルールの拘束を求めなければならず(:前項の拘束関係参照)かえってトラブルになりかねません。逆に小笠原は行政単位が非常に離れており、20マイルの適用も問題ありません。更に座間味は島周りに10マイル内のルール設定だけでも充分な効力があるくらいに、鯨類の観察場所の距離が近いということもあり、適用海域は、狭くても問題はないでしょう。

船 舶

*各島ともに共通するのは、下記用件です
海中に鳴音、擬似音を発しない事(クジラに勘違いをさせない)
進行を妨げない(クジラ、乗客双方を保護する)
減速して近づくこと(クジラを驚かさない)
接近した場合は、停船するか、離れること(クジラ、乗客の双方の保護)

見てのとおり、誰もが感じるマナーのようなものです。ただ、これにも諸事情により、地域によって若干の変動があります。数字で言えば、減速水域は、300m、停船水域は50m、この程度を水準としています。船の大きさによって数字も変わる地域もあります。

その他、親子の場合、停船水域が延長される、入水の禁止など、やはり各島の事情によって多少の変化があります。親子については、子供は好奇心が強く、もっとも観察しやすい対象でもあるため、島によって見解が異なりますが、数杯の船で追いかけ、進路を妨害し、親子を離れさせるような操船などは厳に慎むべきでしょう。逆にほぼアイドリング状態、あるいは停船状態であるときには、他のクジラ達に比べてフレンドリーな事が多く、そんな親子に出会えたときには観察可能な時間やパフォーマンスも多様な為、素晴らしい1日を私達にプレゼントしてくれます。入水制限については、慶良間諸島においては禁止している島が多いようです。昨今、ウォッチング船自体が急増し、更に連日島の船だけでなく、沖縄本島からも多数のウォッチング船が訪れます。ある一定のクジラを数杯の船舶で観察している事と、船があまりにも多い現状を踏まえれば、スクリューでの乗客の事故を考えるとやむをえない処置でしょう。泳げない人も多かったり、普段着であったりと、乗船するゲスト層の違いも大きいといえます。逆に主にドルフィンウォッチ、スイムが重要な観光産業である小笠原では、整合性を保つためでしょう、入水制限は設けていません。クジラもイルカも同じ鯨類だからです。イルカもクジラも、入水して良い条件は、その彼らの大きさに関わらず一緒であることが最も理に適う、ということを踏まえれば、彼らが私達を許し、受け入れてくれる状況であることがまず第一で、その次に付近に航行中の船舶が無い等、私達の安全も確保されたとき、この双方が解決されなければいけません。このような理由から、ドルフィンスイムが盛んな小笠原では、ザトウクジラやマッコウクジラなど、大型の鯨類の水中観察は、お互いのサービスが話して入水時間を決めて入るなど、時間帯を譲りあって観察をしています。幸運なことに小笠原には、それが可能な広い海域があるのです。

特例規定

各島共、調査、取材などでルールを守れない場合には、許可が必要としています。詳細な理由については不明ですが、TVの取材や調査などの場合は、規定外、という了解があるように思われます。





【別紙2】

日本における代表的なWW地域、噴火湾(北海道)・小笠原(東京)・大方町(高地)・慶良間諸島(沖縄)のうち、自主ルールの策定をしているのは慶良間と小笠原など、数箇所です(WWが可能な地域は現在、九州等、全国的に急速に広がりつつあり、その動きは加速しています)。この代表的二地域について、海洋哺乳類を商業的観点の重要度と成功度合いで比較すると、慶良間諸島はザトウクジラのウォッチング、小笠原はバンドウ、ハシナガイルカなどのドルフィンウォッチング&スイムといえるでしょう。

WW(ホエールウォッチング)の自主ルールに関しては、小笠原と慶良間(座間味)共に、ほぼ同じ内容になっています。注目すべき相違点は、慶良間のルール内において、隻数と時間、入水制限が追加されていることですが、本来は、ザトウクジラが過酷な捕鯨の時代を経て、再び帰って来た時の驚きと、それを継続させたいという住民の素直な願いに起因するものでしょう。昨今の主要な理由としては、現在閑散期の冬季において、多数の船舶がWWで収入を得ていることと、得られる環境になった事が時間制限を設けて船舶の入れ替えを促し効率化をはかることで、より多くの業者に利益を発生させ、入水制限をもうけて、狭い海域において多数の船が密集するなかでの、乗客対船舶の事故を減らす、これを実現するための処置でもあります。その意味で、慶良間(座間味)の規定は、地域の環境にそってこの部分を付け加える必要があった為と推察されます。慶良間諸島はクジラの頭数、陸上観察可能な複数の観測地点、共に非常に良い環境があり、WW業者だけではなく、物産、宿泊に至るまで、島民の多数がWWより派生する利益を受けられる環境が行政レベルから整備されています。フェリーが接岸する港では、巨大なザトウクジラのモニュメントが観光客を出迎え、毎年大掛かりなイベントが催されます(これは大方町に代表される高知県についても言えるが、高知県では現在、この類の自主規定は策定されていません)。これは第一に観察機会の地理的容易さが、行政までが積極的に参加するこの状況を作り出しており、小笠原、勿論この島は、この点においては残念ながら劣っているといえるでしょう。一例で言えば慶良間でWWが催行され、数頭のクジラが確認されている日にWWを催行し、ザトウクジラに出会えず帰港する日は実際に多く、WW環境の優劣では、客観的に見て慶良間諸島が格段に有利なのは否めません。話は戻りますが小笠原と座間味の自主ルールは、根本で全く同じであるものです。ただし、地域の事情によって細部はそれぞれ変更されています。

海洋哺乳類を地域の利益とする目的に限って言えば、慶良間は主にザトウクジラを、小笠原はバンドウイルカを選択しました。 理由は、慶良間諸島では、ザトウクジラは複数の展望台からほぼ死角がなく陸上追尾が可能で、港から観察地点までが近く、そしてそれらの環境がイルカを選択するより容易であったからで、小笠原は全く逆に、慶良間におけるクジラの存在が、小笠原ではイルカであったからです。ではこの島は? クジラは慶良間ほど近くなく、頭数も少ないのが現状です。シーズンも地理的条件から、少し短めです。クジラの観察機会は、なにも頭数に限ったことではありません。ここ数年の当地のクジラの観察状態の概況は、非常におおまかないい方で言えば98年は悪く、99年良い、00年悪い、そして01年~04年と比較的良かったのですが、これは天候の安定度が大きく左右しています。波が3mを超える日は、冬場珍しいことではありませんし、天気も曇りがちです。そんなときはどうしても島の南側の一部の地域でのウォッチングが主になりますが、その海域での頭数は、残念ながらさほど多くはありません。好奇心が強く、ブロー間隔が狭いので観察が容易な親子を除けば、数は更に少なくなるでしょう。イルカは更に観察機会に乏しい状態です。

慶良間諸島と小笠原、この2地域の自主ルールの制定年は注目に値します。座間味、小笠原共に、約9年前の1997年、座間味は2/1、小笠原は1/14にそれぞれ改定して現行まで続き、内容はほぼ同一です。これに対して3年前の2002年3月に出された小笠原のドルフィンスイムガイドライン、6年の年を経て出された(名前が既に違い、自主ルール>>>ガイドライン)この文書内容の格差は更に注目すべき点に思います。9年前に自主ルールを改定したあと、6年を経て様々な模索をしながら文書化されたものが、このガイドラインであるのでしょう。地域住民への広域な利益還元を第一の目的としながら、観光、業者、行政、住民、全てが小笠原のエコツーリズムの柱を、ドルフィンスイムと位置づけ、練りこんだルール(ガイドライン)であり、単に規制にとどまらず、観光客への持続的教育、宿泊やツアー引率者に対する要望まで入っています。年月の経過に伴う小笠原のWW環境の成長をうかがわせるに充分な内容といえるでしょう。これは逆にドルフィンスイムが小笠原地域において、重要な観光資源として発展したことを証明するものでもあります。

ホエールウォッチングは、単なるアトラクションではなく、この島で言えば、砂浜の観光や、展望台観光と同様に捉えるべき観光資源でもないように思われます。相手は気まぐれで、野生で、年によって変動し、待ってくれません。提供者からその認識を改めない限り、ホエールウォッチングのリピーターは増えず、持続的で発展性のあるな観光資源とはならないように思います。いかなる方法を使って、いかなる規制を設けたとしても、本質的にはホエールウォッチングは海洋哺乳類にとってはストレス(マイナス)、という主張がもしあるなら、現在私達は反論できません。しかし、ホエール&ドルフィンウォッチング&スイムを放棄すると言う事は、次世代にわたる彼ら鯨類の保護と、私達の子孫への体験的財産の側面も含めて放棄しなければなりません。教育的な観点から見ても、良い方法ではないでしょう。まず、私達地域住民が、この類まれな環境に誇りを持ってこそ、これからの観光資源の未来は見えてくると信じます。そホエール&ドルフィンスイムの負の部分を観光資源とするならば、そのためには営業活動を円滑に進める為の何らかの規定の作成の議論は当然必要です。そして、その内容は科学的に裏づけされた知識と長年の経験に裏づけされ、なおかつ観光客までを含めた広域な人々に、魅力と持続的啓蒙をうながすものでなければなりません。なぜならそれこそがもっともプラスの側面であり、それによってのみ負の部分が償え、そして超える可能性があるからです。そしてそれは可能であれば、クジラを発端として海から発信され、陸上の山々まで続く生態系、ひいては農業までつながる教育であることが望ましいでしょう。それが島の全体的な観光資源を最も有効に、持続的に活用する方法だと思います。そして最も重要な事は、それがオリジナリティーに富み、教育性の高いものであることが求められます。今回お話したかったのは、まず他島のホエールウォッチングの状況を把握した上で、行政レベルでの支援、対策として最優先されるのは、自主ルールなるもの制定では決してないという事です。小さな事柄ですが、これから先の世代までの、文化、誇り、商業的価値等、様々な側面を含む事柄です。どうか議論を尽くした上での決定をお願いします。
以上


この様な資料を携え、人々と話し合いをした結果、約一ヵ月後、行政側からは、この度のルール制定については、行政は一切関わらない。もし制定が必要であれば、関係業者間の折衝で解決するように。との、現時ではこれ以上望めないカードをようやく手に入れたのだった。その話し合いの過程で官公庁の人々の中には、理解に富み、この狭い島の中で利害関係を排除し、公平な判断を下す人が多数居ることを知った。FAXを送りつけた担当者以外の人々には、先の非礼をお詫び申し上げたい。こうして一般WW船は無事、2年目を迎え、無事に終えることが出来たのである。そしてこの年、僕はこの船に乗船することは一度もなかった。ダイビング船に乗り、合間を縫っては船長にお願いし、クジラを追った。社長や他のスタッフと時には言い合いをし、アドヴァイスをし合い、お互いを捲くってやると毎日意気込み、そして双方の船は様々な出会いを作った。それについては次回にしようと思う。

注: なお、ここでは掲載しなかったが、昨今WW熱が急速に高まりつつある、四国は高知県のサイト、-ホエルコ- には、自分も色々勉強させてもらい、そして思想の一部を頂いた。時間があったら是非訪れてみて欲しい。とってもすばらしいサイトだから。


WHALCO –ホエルコ-
Commented by ぷかぷか at 2006-03-08 21:48 x
この写真、とっても素敵!購入希望!
各所のルールも読んで、じっくり考え、勉強します。
Commented by colorcode at 2006-03-09 08:09 x
ぷかぷかさん:
ありがとっ! 買ってね(笑)
でもこれ、あの岩に向かって伸びてんだよねー、虹が・・・あの虹の先の水中には何が居るんだっ!? って、そのときは思いましたよ。ジンベエの群れでもいるんじゃないかって・・・。
Commented by けんけん at 2006-03-09 09:42 x
あ-僕も欲しい!

本題にコメントしにくいのでこれだけで勘弁(w
Commented by ゆに at 2006-03-09 12:43 x
あ、私は2月の記事にあるクジラの写真が買いたい!

「ホエルコ」の、このマッコウを書いた人には、ぜひナポレオン選手権に出場して欲しいわぁ
”マッコウクジラのブローホール 上から”  なんて某画伯が寄稿したようなのだ。
http://www.whalco.jp/kochiwwj/kochiwwj6.html
Commented by colorcode at 2006-03-09 16:21 x
けんけんさん:
ホントにほしいんですかぁ?
・・・確かに、コメントしづらいですね・・・俺ならしないかも。
自分が数年間、なにを考えたのか整理の為にしてるのですが、
まぁ・・・よくもこんな深みにハマッたものですねぇ、我ながら。

ゆにさん:
うんうん^^ マッコウいかす! まともな作りなんだけど、なんか手作業なの、このサイト。でもそのバランスがとっても心地よいので好きです。情報量はかなりあるしねっ。
Commented by けんけん at 2006-03-09 19:44 x
あー僕も欲しい欲しい欲しい欲しい欲しいくれくれくれくれモスバーガー買っていくからお願い!!!!!!!!


こんなんで真意は伝わったでしょうか?(w
Commented by hama at 2006-03-09 20:01 x
ルールやガイドラインか・・
 鯨は食料・油・工芸品・etc.として利用された!船の性能が飛躍的に伸び、銛を大砲で打ちワイヤーを付けたそれは成果をあげ、いつしか巨大生物への畏れを失ったのでは?昔、船を勢子が漕ぎ、何艘もで巨体に挑み、大きくせり出した舳に身の丈の何倍もの銛を持ち、巨体の唯一点を揺れるそこから身を踊らせる、失敗=死、突き刺せても生きて戻れるかは紙一重というまさしく狩、ある地では、何艘もが追い、銛を打ち捲りある程度の銛が打ち込まれた後、一人の男が短刀を咥え海に飛び込み死に物狂いの鯨に向かう!生か死か?鯨も必死に胸、尾鰭を振り回す!それを掻い潜り巨体に取付き鼻を短刀で抉り取る!取れれば成功、ダメなら海に引きずり込まれるか叩かれて死、他にも色々・・・。
結局殺すんじゃ?と思うがしかし考えると非常におかしい!沢山の銛を打ち込んだらもっと打ち込んで何も海に入る事は無いんじゃ?効率や危険を考えたら?だ。しかし、最後は人が行く、そこには鯨に対する何かが存在したんだと思う!その何かは分からないけど・・・。その何かが欠けている様な気がしてならない・・・。
Commented by color-code at 2006-03-09 23:56
太古の大和の時代、鯨を狩る者は帯刀を許されたそうです。
これがいかに凄いことか。

hamaさんの言うことが身をもって解っていたのでしょう、その時代の人間は。そのことに誰も物言いは出来ないでしょう。
by color-code | 2006-03-08 16:44 | クジラ・イルカ | Comments(8)

沖縄は久米島にある小さなダイビングサービスです。


by color-code