カテゴリ:ナンハナリ大群集・サンゴの話( 27 )
ナンハナリ・ヤセミドリイシ群集2016

同じ海域のサンゴでも、白化しないものとそうでないものがいる。また海域や水深が違うと微妙に被害の傾向が変化してくるのはずっと気になっていました。

a0060407_15390991.jpg
ハナヤサイサンゴや波浪で折れて飛び火して繁殖するようなミドリイシ類も比較的強いし、潮間帯のサンゴにはとんでもなく高い耐性のものが居る。
高海水温というのは白化の大きな要因であるけれどもそれひとつだけではない事は議論されてきたし、徐々に研究成果があがってきました。
他の要因として考えられるのが3つで、紫外線と潮流、そしてバクテリアについてはまったく新たな知見で今冬のサンゴ礁学会でも発表があるそうです、やはりそうだったか、という思いです。興味のあるかたはこちらのリリースを参考にしてください。

・透明度が低い、水深が深いと改善<<<紫外線の強さ>>>透明度が高い、あるいは水深が浅いと悪化
・常にあり、速いと改善<<<潮流>>>澱むような場所では悪化
・外海、へき地だと改善<<<陸性バクテリア>>>河川、湾内、人間活動域の近くだと悪化


ではこの3要素を久米島の各エリアに自分の感覚で当てはめてみる。◎=プラス要因大 ○=プラス要因小 △=マイナス要因小 ▲=マイナス要因大

・ウーマガイ 透明度高い▲/バクテリア平均的△/潮流平均的○
・ナングチ  透明度低い○/バクテリア多い▲/潮流平均的△
・トンバラ  透明度高い△/バクテリア少ない◎/潮流あり◎
・赤灯台   透明度低い◎/バクテリア多い▲/潮流少ない▲

おおまかな指標だけれど、プラス要因が上回ったのがトンバラ。そして事実、白化はしているが、踏みとどまっている個体が数多いのもトンバラ。逆に干潮時に水深50センチくらいになる内海のサンゴ達はほぼ全滅している。紫外線が強烈で、陸生バクテリアが多い内海、潮流の影響も受けづらいという状況ではやはり厳しい。外海にも関わらずウーマガイからトンバラザシにかけての北の棚上の被害が大きいのは、水深が浅く透明度が高いので紫外線の影響が高いのと、満潮時にリーフを乗り越えてやってくる内海の海水と、港内、浚渫された航路内の養殖事業等の陸性バクテリアの影響も強く受けているかもしれない。


このようになかなかに厳しいサンゴ白化の中、ようやく台風も接近するようになりましたが、まぁ遅いですよね。もっと直接的な、自分の身体で感じとれるような希望があってもいいじゃないかという気持ちです。実は海水温の影響をほぼ受けないと思われる種もあります。
下の写真はナンハナリ海域の水深32m、ヤセミドリイシ群集の今。

a0060407_15391362.jpg
白化?! なにそれ?

7月下旬くらいになんとなし確信としてあったのですが、ただの一ダイビングガイドなので多少なりとも信憑性を持っていただくには、生き残ったサンゴとそうなれなかったサンゴがは明瞭に確認できる環境になるまで待ってもいいだろいうということで今になりました。
ここ、2年前の2014年の8月にものすごい台風で壊滅しているんですよ、ほぼ完全に更地になりました。浅場は未だに廃墟にしか見えない岩盤が連なっています。でもヤセミドリイシはこの高海水温の中、絶賛回復中。弱ってない、白くない、むしろ生き生き。今まで通りの回復スピードで生息範囲を急速に拡大しています。ヤセミドリイシは暗く深い水深に隠れ住む日陰の存在です。その人知れない大繁栄が再発見されたのはわずか数年前の2010年のこと、NHKとWWFが公式にアナウンスするまで、ほとんどのサンゴ研究者もダイバーも信じてくれませんでした。生存の為に長い年月をかけて褐虫藻による光合成の効率を捨て、骨格の強度を諦め、人の眼の届かぬ深場へ居を移したこのヤセミドリイシは、透明度の高い、太陽光の降り注ぐ浅海では繁栄できません。枝ぶりだって不規則で脆く、とても綺麗とはいい難い。

ちなみに先の指標をナンハナリに当てはまると。
・ナンハナリ 水深深い◎/バクテリア表層のみ○/潮流あり○
となる。ヤセミドリイシがこの海域の中深度を選んだのは決して偶然でないことがよくわかる。 この条件と、強い骨格や褐虫藻による光合成エネルギーを最大限使うといった、多くのサンゴが持つ優位性を放棄した彼らならではの強みがあればこそ、30度の水温でも彼らは無傷なのだ。


サンゴは数え切れない多様性に満ちていて、こんな状況でも希望を見せてくれる。
今、改めて感じるのは生物は、皆つながっており、か弱く、だからこそとても強い、ということ。

なんという命の強さだ。

.............................................................................................................................................................


[PR]
by color-code | 2016-09-17 15:45 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
2016年サンゴ白化後半の状況

台風10号は結局、沖縄本島地方の東海上にとどまった後、本州へとUターンしました。想定外の進路であったし、特に東北、北海道への甚大な被害は心が痛みます。用心の範疇を超えた風雨が襲ったのではないでしょうか。今後の復旧がどうか速やかに行われますよう祈るばかりです。

北風の日が珍しく数日続いたため、浅瀬の水温は暫定的に29度台に下がったが、すぐに30度台まで戻るだろう。結局8月まで一度も台風が接近しないまま、久米島は初秋へと向かおうとしている。状況は当然ながら劇的な改善とはいかず、初期の7月に白化が始まったサンゴ群体の多くには既に藻が生い茂り、礫へと変わりつつある。

a0060407_13005389.jpg
とりわけ1998年に起きた今年と同規模の白化を経験してきたダイバーは今、複雑な感情を抱えながら海に潜っていると思う。白化したサンゴ達の多くはもう手遅れで、生き残った群体も疲弊しているものが多く、ただただ回復を見守るしかないという諦めのきもち。そしてサンゴは海が元気である限り、自分たちが思うよりはるかにしたたかで力強く、数年で驚くほどの回復をしてくるという事を体感として知っているゆえの楽観。
そんな相反する感情の奥に沈んでいるのは、この白化を死の直前の美しさとか、回復への願いとか、地球がおかしくなっている。など、そういった表現を使って発信することへの、ある種の後ろめたさだ。


実は、今から18年前の7月、僕達ダイビングガイドはこの状況を理解していなかったし、数か月後を想像できなかった。8月号あたりのダイビング誌は、各国の海中がパステルカラーでとっても綺麗ですよとか、まるで樹氷みたい! といった軽いトーンのレポートであふれていた。
褐虫藻や白化などという単語をほとんどのガイドが知らなかったのだから仕方ない。そしてその1か月後、目の前の光景を見てようやく悟り、研究者、報道の見解も聞こえだし、喜々として潜っていたひと月前をひどく後悔した。更に当時のガイド達の間には、海の事は何でも知り、より最新の珍しい知見や生物を見せる、撮らせる事が至上という空気がダイビングシーンの本流であった為、時に自分たちの無知を責め合うような事も起きた。事前に知識があっても止めようもなかったのに。


僕はというと、澱のように溜まったこの感情を、今も心の奥にしまい込んで今年のサンゴを見ている。
たとえばクマノミと共生するイソギンチャクが主に白化によって死ぬ、あるいは引っ越した例を、僕ははっきりと思い出せない。大半のイソギンチャクは晩秋には褐虫藻を再び獲得するだろう(このプロセスをこそ今知りたい)。サンゴの白化を原因として家を失う多くの他の魚と比較すれば、クマノミの生存率は遥かに高いに違いない。
白化したイソギンチャクに寄り添うクマノミ、というわかりやすい記号の隣に、本当に生存の危機にある生物が無数に居る。数回目の白化の季節を経て、僕の中でこのずれが次第に大きくなってしまい、そういった手法で表現すること、見聞きすることに、なにか違和感がある。
蛍光色に満ちた海は異様であるが、美しい。でも悲惨だ。美しさや綺麗さだけが強調されて現地から発信され続けることはいくつかの危うさも抱えていると感じる。

a0060407_13013083.jpg
すぐ隣に同種の健康なサンゴが立ち、いつもどおりにスズメダイやゴンベ、甲殻類に住居を提供している海の不思議を目の当たりにしながら今日も潜る。このまったく同じ形状のサンゴ群体は実は別種なのだろうか、それとも隣り合ったわずか数センチの立地に乱流などによる劇的な環境の違いが生じているのか、非常に狭い範囲で、まさかなにかしらの耐性を獲得しつつあるのか。そもそも褐虫藻は一体何種類居て、高海水温、phに対する耐性はそれぞれどう違うのか、いや、その前に水中にそれこそ空気のように比較的均一に漂っている生物なのか。何度目かの大規模な白化を経験しているにも関わらず、相変わらずほとんどの事はわからないままだ。
a0060407_13015025.jpg

カンザシヤドカリが住むサンゴもこうして藻が付いたものが多くなった。この状態から彼らはどのように生きてゆくのか。そんな素朴な疑問に解答が出ない。

a0060407_13020657.jpg

宿主が礫化したら家を失うこうしたハゼの仲間達にとってはかなり厳しい状況。すぐ隣に競争の無い状態の宿主があるという奇跡が必要だ。


スクーバダイビングはとても楽しくて奥が深い遊びだから、この現実をしっかり受け止めよう。折しも海中は学生さんの合宿シーズン。人間の愚かさを嘆くのではなく、海やサンゴに対する興味や驚きに昇華していただけるような一日にしなくては。方法は無限にある。頑張ろう。
.............................................................................................................................................................


12/28-01/02 与那国ハンマーリバーツアー 定員となりました。
ここ数年、ダイバーの憧れ、ハンマーリバーが爆発中の与那国。人数5人限定で年末年始ツアーを募集中です。冬でも水温は24~25℃、ハンマーを狙う西埼までは港からボートで5分以内、1本づつショップに帰ってシャワーで温まることが出来ますので冬の海でも快適です。
ここ数年は毎日数百単位のハンマーリバーが連発という状況、基本的に全ダイブリバー狙いをします、一昨年は安全停止中に推進真横数mにハンマーリバーが登場するなど、世界でも類を見ないダイビングサイトへと成長しました。参加ご希望の方、体育会系ノリではないのでどうぞご安心ください。ただし器材セッティング、エントリー後のヘッドファースト潜降、ガイドの水深をキープできること、撮影機材は自分で管理できることが必要です、スキル的に心配のある方はお問い合わせください。

与那国ツアー開催日程
・日程12/28-01/02(最大14ダイブ)
・ダイビンスサービス あーびゃん
・宿泊 併設ペンション(2名1室インバス)
・航空券手配もご希望により承ります。

詳細はお問い合わせください。
カラーコード:塩入淳生 shioiriatsuo@yahoo.co.jp

.............................................................................................................................................................



[PR]
by color-code | 2016-09-01 13:03 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(2)
黒い死の影

30度を超える水温が続き、台風は来ないまま。久米島でもサンゴの白化が始まりました。1998年以来の大規模な事態です。サンゴはギリギリまで持ちこたえているのですが、限界を超えると数日で激変します。先週から一気に海中の光景がパステル色になりました。私達人間も加担したことです。どれだけサンゴ達が急速に耐性を強化したとしても、この凄惨な白化現象は今後も近いうちに起こるでしょう。それが起きたときに目を逸らさず、見続けることがダイビングに携わる人が今、するべきことだと思います。


赤灯台という島の北側の外海と内湾の特徴がが入り混じったポイントがあります。サンゴ、スズメダイ類の種類が群を抜いて豊富で、毎年襲い来る台風の影響も外海にしては大幅に受けづらい場所で、ここ数年のサンゴの成長はそれはそれは見事なものでした。ただ今年の高海水温は、ここが潮や波の影響を受けづらいというメリットが逆にデメリットにもなり、この1か月は非常に過酷な状況になりました。8月に入って一気に白化が始まり、8/9の昼にはここまで進行しました。

a0060407_18403022.jpg


エントリーしてまず眼についたのがサザナミハギやナガニザの幼魚たち。かなりの量が降り注ぐ太陽の下、あっちこっちへと移動しています。異変に気付いたのはその直後。水深を10mまで落とすとポイントのあらゆる根すべてがニザダイ達の幼魚で覆われていたのです。数万はあろうかという、黒い雲のようでした。動画をこちらに貼っておきます。

a0060407_18425484.jpg
彼らはサンゴの根を覆い、各々が搾餌をしています。その行動をしばらく観察していてあることに気がつき、ゾッとしました。主に藻類を食べ、稀にデトリタス(生物や微生物の死骸等)を食べている彼らがなんと、白化したサンゴ自体をついばんでいたのです。健康なサンゴであれば抵抗力もあり、住処としているスズメダイや甲殻類などが宿主であるサンゴを防衛しようとしますから、これは普通ではありません。高海水温に長期間さらされたサンゴは褐虫藻を放出します。そして重要なパートナーを失ったサンゴ虫自体もやがて死に、白化した骨格だけが残り、抵抗源を失った骨格はやがて藻類に覆われ、瓦礫となります。彼らはその断末魔をあげているサンゴ達に最後の一撃を加え、息絶えた死骸を食べていたのです。
a0060407_18425087.jpg
この時を待っていたといわんばかりに次々と、絶え間なく襲い掛かる彼ら。黒い雲が死の影のように見えてきて…。豊富だったサンゴを宿主とするスズメダイ達は嘘のように激減していました。もう住処としての機能を持たないと判断したのでしょう、それにしても彼らはどこに移動したのか、安住の地は見つかったのでしょうか。とても、とても重い1本になりました。

ニザダイの仲間たちにとっては繁栄のまたとないチャンスなので、これから爆発的に増え、数日のうちに主要なダイビングポイントに大挙して押し寄せ、瀕死のサンゴ達に襲い掛かるのは自然の必然。なすすべはなく、非難する権利も自分たちにはありません。これから息絶えた彼らが礫となる数か月後まで、しっかりと見続けようと思います。


1998年と共に、この2016年を忘れないように、記録しておきます。

-追記-
白化したサンゴは既にポリプが消滅しているという前提で考えると、ニザダイ達はその後に着床した珪藻を食べている可能性が最も高いと思われます、研究者の方々にも伺いましたが、やはりわからないことだらけです。なのでこの記事が正確な記述であるかどうかについてはまだなんとも言えません、まだまだ時間と検証が必要です。ただ観察していてまだポリプが生きている茶色の部分と白の部分の境界線の箇所をついばんでいるニザダイもおり、南方のニザダイたちの多くががシガテラ毒をもつことなど食性にまだ未知の部分もあり、さまざまな可能性を考えていってもよいと思います。




[PR]
by color-code | 2016-08-28 11:46 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
白化するサンゴとキイロサンゴハゼ

少なくともあと数年、前回の教訓をもとに推測するならあと十数年後になるかもしれない。努めて悲観的にならず、今年の、まさにこの数日で移り変わる海中を見ていただくことを、とても大事に感じながら潜る今日この頃。


しかし、このサンゴに出会った時は絶句した。

a0060407_17371362.jpg
白化したイソギンチャクとクマノミ、ではなくて、白化したサンゴとキイロサンゴハゼ。今、普段枝状サンゴの奥で暮らす彼らを、あおりの構図で撮れる、しかも待つことなく簡単に。
十数年ぶりの撮影の好機、でもこれは彼らの家(サンゴ)が既に住処としての機能を失っていることを意味する。サンゴが死にゆく中、海は家を失い、行き場のない無数の生物と、それにとってかわる魚達で溢れている。

.............................................................................................................................................................
12/28-01/02 与那国ハンマーリバーツアー 残席わずかです。
ここ数年、ダイバーの憧れ、ハンマーリバーが爆発中の与那国。人数5人限定で年末年始ツアーを募集中です。冬でも水温は24~25℃、ハンマーを狙う西埼までは港からボートで5分以内、1本づつショップに帰ってシャワーで温まることが出来ますので冬の海でも快適です。
ここ数年は毎日数百単位のハンマーリバーが連発という状況、基本的に全ダイブリバー狙いをします、一昨年は安全停止中に推進真横数mにハンマーリバーが登場するなど、世界でも類を見ないダイビングサイトへと成長しました。参加ご希望の方、体育会系ノリではないのでどうぞご安心ください。ただし器材セッティング、エントリー後のヘッドファースト潜降、ガイドの水深をキープできること、撮影機材は自分で管理できることが必要です、スキル的に心配のある方はお問い合わせください。

与那国ツアー開催日程
・日程12/28-01/02(最大14ダイブ)
・ダイビンスサービス あーびゃん
・宿泊 併設ペンション(2名1室インバス)
・航空券手配もご希望により承ります。

詳細はお問い合わせください。
カラーコード:塩入淳生 shioiriatsuo@yahoo.co.jp

.............................................................................................................................................................



[PR]
by color-code | 2016-08-25 17:39 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(2)
海が熱い。
熱いといってもトピックスの話ではなくて現実の数字の話。陸上の屋外では露天ロウリュができる熱波だし、水面だって32度あるし、ハテノ浜にいたっては、これって半身浴の温度じゃんかという状態。畳石のタイドプールはもっとすごくて、余裕の40度超え。よく生きてるというか、これって調べたら新発見いろいろあるだろっていうレベルの暑さ。ちょっと1998年の再来という言葉が現実味を帯びてきました、あれは悪夢のような出来事だったからもう勘弁してほしいのだけれど。
a0060407_12245620.jpg

現在のハテノ浜沖(キンメの根)のアンカーを打つ根です。見事なサンゴ達です、しかしアンカー打つ隙間なんてどこにあるのさ。4年前までの親子岩やシチューガマもこんな感じでした。今もすくすく成長中。

しかしこの場所、ちょうど2年前の2014年の7月末、台風8号の襲撃で更地に近い状態になった所なのです。生き残ったサンゴも基部がかろうじて残ったという割と悲惨な状態からたった2年でここまで回復しました。海が健康ならサンゴはここまで急速に育つんですね。ただエルニーニョ、ラニーニャ現象の原因の一部分は僕たち人間に依るわけで、この根のように水深1m前後の高海水温帯は、いつまで持ちこたえるか心配です。今年はたとえ台風来ても、さすがに恨めないです。

.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。


12/28-01/02 与那国ハンマーリバーツアー
ここ数年、ダイバーの憧れ、ハンマーリバーが爆発中の与那国。人数5人限定で年末年始ツアーを募集中です。冬でも水温は24~25℃、ハンマーを狙う西埼までは港からボートで5分以内、1本づつショップに帰ってシャワーで温まることが出来ますので冬の海でも快適です。
ここ数年は毎日数百単位のハンマーリバーが連発という状況、基本的に全ダイブリバー狙いをします、一昨年は安全停止中に推進真横数mにハンマーリバーが登場するなど、世界でも類を見ないダイビングサイトへと成長しました。参加ご希望の方、体育会系ノリではないのでどうぞご安心ください。ただし器材セッティング、エントリー後のヘッドファースト潜降、ガイドの水深をキープできること、撮影機材は自分で管理できることが必要です、スキル的に心配のある方はお問い合わせください。

与那国ツアー開催日程
・日程12/28-01/02(最大14ダイブ)
・ダイビンスサービス あーびゃん
・宿泊 併設ペンション(2名1室インバス)
・航空券手配もご希望により承ります。

詳細はお問い合わせください。
カラーコード:塩入淳生 shioiriatsuo@yahoo.co.jp

.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2016-08-04 12:26 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
サンゴ礁ウィーク
先週から各地でサンゴ礁ウィークのイベントが始まっています。沖縄はサンゴに囲まれ、守られ、育まれている島々ですが、もう一度あらためてこのサンゴ礁という宝の重要さについて考えてみようというイベントです。
a0060407_16411076.jpg

自分は久米島の大岳小学校で本日、島の子供たちと一緒にサンゴのすごさ、久米島の海の豊かさについて体験、そして考えるワークショップをしてきました。
昨年は長野県の中学校や一般の方も参加可能な喫茶店や店舗などを貸していただき開催したのですが、今回は地元の久米島の子供たちと一緒。これがもうすっごく優秀で素直でびっくりでした。思考もとても深い、ちょっと見直した、自分も考えることが多かった実りあるワークショップでした。
a0060407_16412645.jpg

僕はできるだけ海の近くでは山の話を、山の近くでは海の話を交えて話をするようにしています。それは雪国で育った自分が海で過ごすようになって感じた不思議な山と海の同一性であったり、相互関係が動機のひとつなのですが、この山と海のつながり、循環はそのままサンゴの生き様そのものであったりするのですね。
その感覚を具体的な地域の状況になぞらえて実感として感じていただけるようにお話しするのはなかなか悩ましいのですが、互いに学びあおう、分かち合おうという気持ちが助けてくれます。今回のイベントはそんな空気が会場から溢れていて、すごく素敵な体験ができました。

大岳小学校の職員の皆様、そして生徒の皆様、ありがとうございました。校内でのみなさんの気持ちよい挨拶、本当に感動しました。


.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2016-03-03 16:42 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
ナンハナリ -ヤセミドリイシ大群集定期調査-
今夏の台風8号によって大きな被害を受けた久米島の南側海域。リーフ内も含め、被害状況を仕事の合間の休暇を縫って調査しています。回復の兆しはあちこちであるものの、14mのうねりというのは本当に激烈だったのだなぁと改めて感じます。

2011年にこのような光景が数キロにわたって続いていたナンハナリ海域も。
a0060407_1661184.jpg

同地点の現在。普通のダイバーから見れば荒れ果てた更地です。しかしここはヤセミドリイシという種の存亡を賭けた、目まぐるしい破壊と創造の挑戦の場でもあります。
a0060407_167117.jpg

定点観測用のいブイや鉄筋も基部から飛んでしまったものが多数あるので、一からまた打ち直します。水深30m以上に鉄筋を搬入し、ハンマーで岩に打ち付ける作業は時間もかかりますが、かなり身体に負担もかかるので、1日では終わりません。草原のようなヤセミドリイシに囲まれてする作業なら心も和むのですが、この廃墟のような光景の中、窒素を溜めながらハンマーをふるうのはさすがに堪えます。
a0060407_16991.jpg

観測地点ライン1の終点付近(水深30m)、曽根の岩盤にわずかながら生き残ったヤセミドリイシが、そのまま曽根を這うように枝を伸ばし始めています。骨格は非常に柔らかいので成長も早いので、このまま被害が無ければ2年で曽根をある程度覆うでしょう。
a0060407_1692388.jpg

このように枝が何層にも積み重なるまでにおそらく7~10年と思われます。ミドリイシ類の成長速度としては驚異的ですが、激変するこの星の気象環境が、果たしてその時間を彼らに与えてくれるでしょうか。僕たちはただ見守り、自分たちに出来ることをするのみかといえばそうではないと思います。東南アジアの国々のトップが欧米、および先進国、新興国に「開発や豊かさのツケを、今東南アジアが国土や海洋資源の枯渇、消滅、年々加速度的に増える甚大な自然災害、という形で支払っている。」というメッセージを今、必死に送っています。恩恵を受け続けてきた私達は今、何かを共に考え、たとえ間に合わなくとも、些細な事でもいいから実行しなくてはいけません。

ナンハナリ海域のサンゴ群集の調査が、サンゴという生物の強さやしたたかさ、そして未来への希望を感じさせることにつながることを願い、今後も少しづつ活動を続けていきます。次会の報告では明るい話題から始められますように。

.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2014-09-26 16:10 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
ナンハナリ -今後の調査展望-
僕がナンハナリのヤセミドリイシ群集を初めて見たのは2009年8月。その時のその海域の被覆度、層の状態を話を簡潔にするために仮に100としましょう、これはあくまで個人的な見解ですが2011年6月の台風による被害直後は10~15、2年後の2013年6月には30~40程度まで急回復しました。個人的な意見ではありますが、客観的な資料を数年間にわたって蓄積したので、それほど的外れな見方ではないかと思います。そして2014年7月、再び被覆度は10~15程度に戻った状態です。

2009年8月 大群集発見
a0060407_11444876.jpg

2011年6月 大規模損壊
a0060407_1145220.jpg

2013年6月 わずか2年で急回復
a0060407_11451582.jpg

2014年7月 再び大規模損壊
a0060407_11453035.jpg


これから想像を膨らませて見えてくるのは、ヤセミドリイシの群集は極めて速い回復力を持っており、数年~数十年の間隔で大規模な損壊と急回復を繰り返しながら成長しているのではないか、ということ。これは全てのサンゴについて当てはまることですが、水深が深く、常に海流があり、温度変化が水面下に比べて少ない、という複数の好条件によってナンハナリ海域のヤセミドリイシ大群集の回復の様子は、規模と速さにおいて突出しているのではないか。ということです。では2009年のあの状態の前に、大規模な損壊があったのはいつなのでしょう、想定することはできるでしょうか。

過去十数年で、940hPa以上の規模で、久米島を直撃、または西側を通過する、島の南側の波浪が極めて大きかったと予想される台風をピックアップします。

a0060407_11461457.jpg①2007年台風第11号(ナーリー)中心付近で猛烈な風が吹いた。直撃を受けた久米島では最大瞬間風速が62.8m/sを観測。
久米島で瞬間最大62.8m/sというとんでもない風が吹きました。アルミサッシの窓がかなり割れ、怪我人が多くでた風台風です。あっという間に風が強くなり、そしてかなり早く収まったのも覚えています。しかし2009年にあのMAXの状態であったので、その2年前のこの台風で大きな被害が出ていたとはヤセミドリイシの回復スピードをもってしても非常に考えにくい。おそらく通過スピードが速かったので、被害は比較的すくなかったのではないでしょうか。

それ以前で目に留まった類似したコース、規模、の台風は3つあります。

a0060407_11465366.jpg②2004年台風第21号(メアリー)本島地方で強い勢力のまま迷走。
迷走台風という名前を知らしめた台風のひとつ。この頃の数年は、止まったりぐるぐる回ったりするのが結構いました。



a0060407_1147315.jpg③2003年台風第14号(マエミー)急速に発達し、宮古島付近で最大風速55m/s、中心気圧910hPaの勢力に。
宮古島のダイビングサービスも大きな被害を出した為、記憶にある人も多いのではないでしょうか。直撃は回避できたかのは不幸中の幸いでしたが、久米島の波浪もすごいものでした。

a0060407_11471455.jpg④2001年台風第16号(ナーリー)9月11日から13日にかけて沖縄近海でほぼ停滞し、沖縄本島や久米島・慶良間諸島では長時間にわたり暴風にさらされた。
あの9.11テロの日、久米島あたりにひたすら停滞していました。確か3日間かけて久米島を2周くらいしていた気がします。停電の合間に映るTVは全画面で「台風16号、久米島近海…」とずっと出ていて、右下の小さなワイプで貿易センタービルのあの映像がひたすら流れていたのを記憶しています。

この3つの台風のいずれかは、その規模とコース、速度から、ここ数年で島の南側のサンゴに大きな被害を与えたふたつの台風と同程度の強さと波浪の方向、時間を持っていた可能性が高いと思われます。
この仮定に基づいて考察すると、ナンハナリ海域のヤセミドリイシ大群集は、7~10年の短期間で周辺数キロ一体の水深20~40mの曽根を数層にわたって覆う規模で成長し、大きな波浪を伴う台風の接近で数年~十数年おきに大規模な損壊>>急回復を繰り返していると予想されます。

いずれにしても2014年7月現在、ナンハナリは甚大な被害をうけ、ヤセミドリイシの被覆度も極端に落ちました。モニタリング調査もこれに伴い、中期的な視野をもって臨む必要が出てきました。
この海域が全盛期の2009年の状態に回復するには、個人的な予想ではあと10年弱の時間と、その期間今回の規模と進路の台風が来ないことが条件となります。最近の台風の大型化、頻発化を考えると、群集が成長の頂点を迎えた2009年にあの海域に遭遇したことがあらためて奇跡に思えます。これから10年後、普通に考えれば僕はナンハナリの定期モニタリングを出来る身体とは思えませんが、自分なりに無理せず調査を続けていこうと思っていますので、今後ともご協力、ご支援、よろしくお願いいたします。


.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2014-07-29 11:50 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
-台風8号による南側海域被害調査-
台風8号の影響による久米島南側のサンゴの被害状況を調べています。改めて、とてもひどい。アーラから親子岩にかけて、そしてはての浜を囲むリーフ外縁のタケンチ方面、南海上にあるトンバラ、全ての外海に面する海域が軒並みやられています。
島の南側を見ていて被害が軽微なのはリーフ内(イノー)と北側海域。久米島本体と、はての浜のリーフが南から押し寄せるうねりを遮ってくれたからと思われます。確かにあまりに大きい波浪の為、はての浜の形もだいぶ変わり、その周辺のポイントも砂や岩が動いて少なからず被害を受けていますが、リーフの大きな役割を感じました。サンゴが数万年かけて築いた石灰岩の堤防は、海の様々な生物と、陸上の私たちも守り続けてくれています。

イノーにあるお気に入りの場所は無事でした。
a0060407_8195020.jpg

破壊の痕を見続けて重苦しい気持ちが続いていたので、水中に入ってこれが目の前に現れた時は、本当にホッとした、うれしかった。

今回の台風で島の海中は大きく傷つきました。人間と同じように、彼らもとてもはかなく、それゆえに幾度でも生きようとする。そのことに私達はもう気づいています。だから、再び立ち上がろうとする者の機会を決して奪ってはいけない。


.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2014-07-27 08:23 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)
ナンハナリ -ヤセミドリイシ大群集定期調査-
台風10号の進路の都合上、なかなか島の南側が落ち着かず、やきもきしていましたが本日、ナンハナリの定期モニタリング調査に行ってきました。トンバラやアーラ方面などの外海はもとより、リーフ内の礁湖に至るまで、島の南側は今月、台風の波とうねりのせいでかなりのダメージを受けています。
当然、ナンハナリ海域にも大きなうねりが押し寄せたはず。そして最大の懸念は今回の台風8号が、前回2011年にナンハナリ海域のヤセミドリイシに大きな被害をもたらした台風2号ソングダーに規模、進路共に酷似している事でした。早く調査をしたかったのはこの為です。
そして更にもうひとつ、昨年から続く中深度までの高海水温。現在、多くのダイビングポイントの水深30~40m付近でも29度台後半の海水温状態になっています。昨年と同様、これは深夜から明け方になっても水温がほとんど下がらない状態が数か月続きかねないことを意味します。適度な潮流があるところではこの苛酷な状態でもサンゴが生き延びることは知られていますが、インリーフや入り江状の地形の場所ではひとたまりもないでしょう。
一昔前までは、日本全国雪が降り、夏は暑く体中の汗疹に悩み、冬は霜焼けが出来るほど家の中も寒かった。今、汗疹や霜焼けのある子供たちはほとんど居ない。しかしその振子を逆に降るかのように、年々ゲリラ豪雨と豪雪は増え、台風は巨大化し、夏はより暑くなる。不気味な符号を感じます。

すこし話をもどします。数年のスパンがあるふたつの台風を見比べてみると、久米島近海での位置、規模がとてもよく似ていることに気づきます。

Songda(台風2号) max920hPa 2011/05/22-29
a0060407_21272262.jpg

Neoguri(台風8号) max930hPa 2014/07/04-11
a0060407_21274997.jpg

赤い★は久米島の位置。中心付近はいずれも920~30hPaと強力で、進路も久米島の西側を通過するという、通過後の返しの南風が非常に厳しい進路。今年の台風8号は若干久米島から逸れたものの、勢力としては2011年の2号よりも強い勢力で久米島近海を通過しており、更にスピードも遅く、結果的に長時間海が大しけの状態になりました。このデータと周りの海域の状況を見る限り、大規模被害は避けられないと考えていました。

2014/07-27 ナンハナリ海域モニタリング中心地域の様子です。
a0060407_21283287.jpg

予想は当たりました、2011年、5月の状態に、ナンハナリは戻りました。わずかな基部を残して、ヤセミドリイシ瀕死の状態にあります。下の画像は基部をかろうじて守ったライン2の中心地です。
a0060407_21293693.jpg

地球の、宇宙のバランスと繋がりは、人にはまだまだ欠片ほども理解することができず、ましてやコントロールなど到底できないのだと、この海を見ると身体がわかります。小さくても、この小さな繋がりを切る事なく、紡いでいくことが今必要です。

なぜこのような事がおこるのか。自分の考えとしては、このようなことは比較的短期的スパンで(僕達人間のせわしない生き方からみれば)行われているのではないかと考えています。なぜそう思うことが出来るのかというと、サンゴをはじめとする、海の生物のしたたかさと強さに、様々な経験を通じてふれることができたからです。そしてだからこそ、とても儚く、弱い。

いま、僕はこの今日見てきた現実を、思いが強すぎてうまく整理できませんので、ひとまず報告です。ナンハナリ海域のヤセミドリイシ大群集は、壊滅的といっても過言ではない甚大な被害を受け、2011年5月の状態へと戻りました。僅かに残ったヤセミドリイシは根絶やしの危機であると共に、わずかに残る基部を元に、再び再生を図ろうとしています。そして、私たち人間は彼らから学ぶことがあるのです。

今後更に久米島の南側を調査してみるつもりです

.............................................................................................................................................................colorcode記事はここまでとなります。これより下段↓は広告スペースとなります、ご了承くださいませ。
[PR]
by color-code | 2014-07-26 21:34 | ナンハナリ大群集・サンゴの話 | Comments(0)