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ツチホゼリが作るミステリーサークル

ツチホゼリという砂地に住む比較的大型のハタが居ます。インリーフで見かけることがほとんどですので、割とビギナーダイバーの方も目にしたことがある人が多いでしょう。名前の由来は、ツチホゼリ(土をほじくる)と、行動そのままです。図鑑等では、根の下などを掘り、隠れ家として使う、等の解説があります。インリーフのハタ類はその通りで、隠れ家の周囲を掘り、埋まらないように我が家を管理するのでそれにあやかってキンメモドキやスカシテンジクダイ、さまざまなスズメダイ等、小さな魚達が一緒に住み着き、内海の風景を形成します。

さて、昨日の事。これを目にするのは何度目か。ツチホゼリが砂を掘っているところに出くわしました。隠れ家ではなく、ただの平坦な砂地です。遠くから観察すると、尾鰭と尻鰭あたりの下半身を使って2分に1回くらいの間隔で熱心に周囲を掘っている。
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拡大。こんな感じで掘ってます。
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しばらく見ていて上から近寄って確信した。これは、、、あれだ! >>動画はこちら。
そう、これと一緒ですわ、これ以外に考えようがない。水中のミステリーサークル。
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@ダイブナビ公式チャンネル

そう、アマミホシゾラフグが作るミステリーサークルとおんなじ種類のやつに違いない。上から見るとよくわかりました。
間違いないなと思ったカット。放射線状に規則性のある模様が円形に形成されています。真ん中の小さな石が非常に気になる。あー確かめたい。
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結局2ダイブ粘りましたが、とっても警戒心が強く時間切れ。このミステリーサークルはどこまで緻密に作られるのか、はたして繁殖活動の現場は? はわからずじまい。今後の課題となったのでした。こうした目印を作る魚、実は我々人間が気づいていないだけで、魚達、特に同種の異性には一目瞭然でしょうし、何らかのホルモン物質のようなものが製作途中に体表面の粘膜等からサークルに浸透し、強烈な誘因作用を発するのかもしれません。仮にそうだとしたらもはやここの中心部分に必ずしも卵を産む必要もないわけで、これ自体が立派な繁殖の標識として成立するわけです。そしてこんな不思議なミステリーサークルを作る魚は我々が思っているより意外と多いのかも。そして太古の人類も、この光景を注意深く観察していたのかもしれません。それがストーンヘンジや謎の建築物、文様の意匠の根底にあるのかもしれないのです。それにしても海はまだまだロマンが沢山ですね。

by color-code | 2020-11-17 15:19 | うみのいろはそらのいろ | Comments(0)

沖縄は久米島にある小さなダイビングサービスです。


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