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-海に命を宿した宝石- ④

わずか3mm程のサフィリナ。まるで数百キロのコロニーにも見えるような、大きさの感覚を麻痺させる造形をしている。
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殻を拡大すると、無数の規則正しい多角形が姿を現す。ハチの巣や、雪の結晶、自然界に見られる秘密の形だ。
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彼らの身体は人類の中の一握りの特異点のような天才が数百年前に再発見し、数十年前にようやく真似を始めたばかりの知識の塊で出来ているのだ。
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実際には更に数十~数百分の1の、1~2μ(ミクロンは1/1000mm)の正六角形の板が無数に敷き詰められて殻を形成している。正六角形は、平面を隙間なく敷き詰めるのにもっとも効率の良い多角形で、彼らは最小の材料とエネルギー効率で身を守る鎧をを作っているのだ。このハニカム構造は外部からの衝撃に非常に強く、更にこれが数十の積層構造で出来ており、その隙間はゲル状の液体(細胞質)で満たされる。この構造は面/点/全方向、あらゆる衝撃、圧力に対して効果的で、磁力/温度/放射線にも強い事が容易に想像できる。

このわずか数mmの微細な生物がこのような未知のテクノロジーで身体を覆い、文字通り星の数ほどの質量で、大海を銀河のように漂っていることを思うとロマンを感じざるを得ない。そして彼らは今日も海の中を無数に漂い、この世の連鎖に従い、上位の生物を自らの身体をもって育んでいる。


by color-code | 2021-01-07 12:25 | サフィリナに魅せられて | Comments(0)

沖縄は久米島にある小さなダイビングサービスです。


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